という事で記事篇です。
タイトルにもあるように今月号の約3分の1のページを割いてベースについて特集されています。
まずはギタリストからベース、ベーシストについて問うという事でスティーヴ・ヴァイ先生が登場。ビリー・シーンやTMスティーヴンス等の様々な名ベーシストと共演してきたヴァイ先生がベースをテーマに語るというかなか貴重なインとなっています。インタビューではベースの重要性、印象に残ったベーシストや演奏、トーン等語っていてインタビュー欄外には共演したベーシストや作品について掲載されています。おまけ的にジェイソン・ベッカーの新譜に参加したエピソード等も語っています。
お次はベーシストへのインタビュー。これまでオジーやホワイトスネイク、イングヴェイ、近年ではアニメタルUSAにも参加していたルディ・サーゾが登場、ベースを弾くようになったきっかけからこれまで参加したバンドやギタリストについてのエピソード等を語っていますがベースのテクニックや役割とかの話題は少ないような・・・。欄外には参加した作品について掲載されています。
ベーシストインタビュー2人目はラウドネスの山下昌良氏が登場。ベースを始めたきっかけからベーシストの役割、ラウドネスでのベースのアプローチ方法、ベースを始めたいギタリスト等を語っていますがどの話もとにかく分かりやすいのは流石でベースはドラムとギターの接着剤と言っているのが印象的でした。欄外には山下氏おすすめのアルバムが掲載されています。
ギタリスト、ベーシストへのインタビューに続き今度は両者同時に話を聞くという事で先日来日していたサンズ・オブ・アポロのロン・サールとビリー・シーンが登場。今度はギタリストとベーシストが対話形式でギターとベースの関係を語っています(主にビリー・シーンが喋っています)が興味深い事にここでもビリー・シーンがベースは”のり(糊)”のような存在と語っているんですよね。ある域に達した人達はなにかの共通認識を持っているのかもしれません。その他にもビリー・シーンが初めてのベースを手に入れたエピソードやロン・サールがベースを意識した時のエピソード等も語られています。
対話の次はすっかり定番化したトークセッション。EARTHSHAKERとMary’sBloodの弦楽器隊によるベース談義が繰り広げられていてそれぞれのバンドのベースの役割やベースを選んだきっかけや理想のギタリストとベーシストの組み合わせなどなど多岐に渡って語っています。
意見を聞いた後は歴史。(逆の方が良いような)これまでのロックベースの歴史を大まかに簡略化して紹介。多弦やファンフレの事も書いていますが三分の一ページ以下という・・・。
お次は名ベーシスト10選&ベース名盤20選というテーマでそれぞれ紹介されています。ただ”ベース”というカテゴリが広すぎるので人物10、音源20は少なすぎるような気がします。リストに入ってない名ベーシストや名盤もありますからね。
歴史の次は基礎知識。ベースの基本構造やアンプ、D.I.エフェクター等について基本的な紹介をしています。ベースの場合ライヴやレコーディングにおいてアンプだけでなくD.I.(ダイレクトボックス)を使う事が多いので興味がある人はD.I.の項目を読んでおくと良いと思います。
DLCとの連動記事にもインタビューがありました。MASAKI氏は11月7日に発売されたデビュー25周年を記念したアルバム「PIT-LOW2」について楽曲解説があったり特集にちなんだベーシストから見たギターやギタリストについて語っています。
IKUO氏はほぼ特集に沿ったベースとギターの関係についてやベースならではの演奏や視点、考え方、音作り等語っています。
特集最後は奏法。”ベース&ギター魅惑の名演集10”と題してツェッペリンやラウドネス、MR.BIG等ベーシストとギタリストの名演が光る曲をピックアップしてギターとベース両方のTAB譜も掲載して紹介しています。そしてスコアのコーナーも今回はベースのTAB譜も一緒に掲載されています。曲はRun To The Hills/ IRON MAIDEN、Cupid’s Dead/ EXTREME、Jeff’s Boogie(live)/ BECK, BOGERT & APPICE。
ヤングベース以外はというとインタビューではEARTHSHAKERの石原“SHARA”愼一郎氏は新譜「THW STORY GO ON」発売に伴って登場。今回はキーボードのTOSHI氏が参加してのレコーディングとの事でキーボード有りきでの楽曲制作のエピソードや楽曲解説も合わせて語っています。
STEREO CHAMPの井上 銘氏はバンド作品「MONO LIGHT」、ソロ作品「Solo Guitar」を同時発売したという事でそれぞれの楽曲制作のエピソードを語ったり楽曲解説を行っています。
元ブラック・クロウズのリッチ・ロビンソンが結成したザ・マグパイ・サルートは来年1月に来日するという事でインタビューに登場。ブラック・クロウズとザ・マグパイ・サルートの関係性やライヴの活動や今のバンドの状態等アルバム等の楽曲の事より内面的な事を主に語っているのが印象的でした。
謎のギタリストTJ KEN氏はヤングギター初登場という事でギターを始めたきっかけからこれまでの活動歴、そして最新作「Blood Eclipce」について制作の経緯からそれぞれの楽曲について解説しています。
巻末のカラーページでは新譜「ザ・シサ」を発売した筋肉少女帯の二人が登場。橘高氏、本城氏二人でのインタビューという事で所々笑い話が入ったりして仲の良さが伺えるインタビューとなっていて楽曲解説が主ですが活動歴の長さもあって過去曲の話が出たり影響を受けたアーティストの話が出たりしているのも印象的でした。
テクニカルギタリストのジャッキー・ヴィンセントは2ndソロ作「LIFE IMITATING ART」を発売した事に伴って登場。自身のバンドクライ・フォー・ヴェノムのヴォーカル脱退劇の真相に始まりソロ作のメンバーの紹介、楽曲解説、そしてそのソロ作から2フレーズのTAB譜が掲載されています。
最後は1stアルバムを発売したLi-sa-Xさんが登場。アルバム制作の経緯、楽曲解説、機材の紹介がありました。まだ学生ということもあって勉強の事や夏休みという言葉が入っているのが印象的でした。
忘れてはいけないのが楽器フェアの記事。ギター本体が2ページ、機材が2ページと少ないのが残念ですがBacchusの8弦テレやG-Lifeの7弦、REV-Guitarsのヘッドレス9弦等興味深いギターが掲載されています。またWEBの方には楽器フェアで行われたGEN GUITAR AWARDの様子も紹介されていてL's TRUST Co.の13弦も紹介されています。
https://youngguitar.jp/201811/events/gga2018
連載講座のYG TUNE-UP FACTORY今回はちょっと以外なテーマで音叉を使ったチューニング方法を紹介しています。最近は音叉を使う事はほとんどないでしょうから新鮮なのではないでしょうか。所謂ハーモニクスを使ったチューニング方法で音叉でA=440Hzの音を出して5弦12フレットのハーモニクスを出して音の揺れを体感しながらチューニングを合わせていくのでチューニングの狂いを意識しやすくなるので覚えておいて損はないと思います。チューニングをあわせる順番も図説されていて分かりやすくなっています。
巻末のカラーページにはインタビュー以外にもディープ・パープルの来日公演におけるスティーヴ・モーズの機材紹介とライヴレポがあったりSeymour Duncanのエフェクター紹介&試奏記事&動画がありました。
試奏動画は以前ツイートしましたが念の為に紹介。
https://youngguitar.jp/web/201812-seymour-duncan
https://www.youtube.com/watch?v=buraqA0i5hM
岡 聡志が8機種試奏しています。
弾いているのは
1. Killing Floor High Gain Boost 00:19 –
2. Forza Overdrive 1:58 –
3. Palladium Gain Stage 3:56 –
4. Dirty Deed Distoriton 6:31 –
5. Studio Bass Compressor 8:20 –
6. Andromeda Dynamic Delay 10:58 –
7. Silver Lake Dynamic Reverb 13:52 –
8. Shape Shifter Stereo Tremolo 17:43 –
という事で今月はヤングベースという事でしたが自分のイメージするヤングギターのベース版はギターにも使える超絶テクニカルベース奏法講座だったり魅惑の超多弦ベースの世界、といった感じなんですがそれとは違ったアプローチだったようで・・・。
ヤングギター公式サイト http://youngguitar.jp/
今月号(12月号) の記事紹介はこちら
https://youngguitar.jp/yg/yg-201812